アメリカ美術の生の作品に触れることは刺激的だった。
何でも面白く、何でも吸収したいという、青年期の素直な欲望を満たしてくれた。
追随者であるという視点を持てるべくも無く、盲目的に吸収した。

自由で独立独歩の作家群から、若くして前衛的視点をいただいたように思う。
それは日本の美術に対する反骨精神をも育てることになった。

受験最後の歳、郷里岡山の海の近くで一夏、絵画修業をした。
テンペラ細密画という古典技法をマスターした。
また反対方向の、抽象表現主義的なドローイングを多作し、ポロックやシュナーベルなど抽象表現主義を追った。
テンペラ細密画は忍耐強く構築する力を、抽象表現主義は絵の具と連動する情動を、それぞれ育ててくれた。