白州における表現活動について、1995.4.14に配布したものを掲載する。

 

私は表現行為において、自然と人間の対立を前提として認識すること、そこから少しでも前進することを目的として捉えている。
そして白州では、社会性を持つものとして作品を位置付けていくために、三つの段階を設けて、作品の設定状況を公共性の高い方向へと拡大させていくことを考えた。
そして、よりフレキシブルに状況に対応するために、表現形態は一時的で仮設性を持つものが選ばれた。

第一段階 自らから他へ

一回目は人工物と自然物を組み合わせることにより、その対立の奇妙さや、自然とのどうしようもない距離感を、自らが演じることだった。
自動車を雑草で覆い、主要道路の周辺5か所で展示を行った。
1994年白州フェスティバル

第二段階 人々と場と共に他へ

自然と自己を感じていくための装置としての空間を共同で創出し、その中でコミュニケーションを行う。
自然と人間の対立を踏まえてその先に進むためには、それぞれを良く感じていくしかない。
そのためのツールを茶室と茶道に求め、展開した。
竹林の中で、ヘンク・テル・クルヴェ氏および少人数の協力を得て行う。
1995年白州フェスティバルで予定

第三段階 人々の時間と空間の中で

日常生活の時間と空間の中で、自然に思いを馳せる方法として、生活を通過した自然である生ゴミと、生ゴミ処理装置(コンポスト)を作品として取り上げていくことを考える。
(未定)

第二段階の具体的内容と予定について

竹林内部において、作品番号31番のヘンク・テル・クルヴェ氏作品をフロアーとして、自制する竹を柱として見立て、竹と竹とを赤い布で連結して壁面を構成し、新たな内部と外部を創出する。
更にその内部において定期的に茶の湯を行い、空間と時間の変質を試みる。仮構性を重視してその場の環境を破壊しないこと、様々な分野間の境界を行き来すること(自と他、伝統と現代、美術と建築、人工と自然)を踏まえていきたい。また、数度のワークショップを行い、プロセスを追って空間を構成していく要素を取り入れながら、作品を完成に近づけていく。